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あめ玉の記憶

どんな事をしても、過去に戻る事は出来ない。

唯一過去に戻れる方法があるなら、それは思い出すという方法しかない。

大体は、どんな事があったのか、あの人は何を言っていたのか、どんな景色だったっけ。

そんな風に思い出すしかない。

 

懐かしい映画を観た。

内容さえ忘れてしまってて、所々映画の画面や色やセリフの端々のテンポだけ、かろうじて覚えていた。

殆ど初めて見る様な気持ちで楽しんだのに、何故か

本当に、何故か。

あめ玉をなめているような、ゆったりとした甘い心地に包まれる。

 

景色も、声も、喋った内容さえ忘れてしまった先の思い出は

そんな、何とも言えない部分がじわじわと心地よくさせるだけなのかもしれない。

 

しかし、これは私だけかもしれない。

だとしたら、私はなんてラッキーな脳みそを持って生まれたんだろう。

記憶を使ってこんなに心地がいいものに浸れるなんて、とても幸運な肉体だ。

 

まあ基本はポンコツだなと思うんだが。